【ミルワーム飼育】最速で成長する餌を検証してみました【その2】
今回は、爬虫類の食いつきの良さと飼育の簡単さから非常に優秀な活き餌であるミルワームについて、
ミルワームの餌って、なんとなく購入した時についていたふすまを使い続けているけど、これは成長に必要なのかしら・・・?
これまでふすまを床材に使ってきたけど、近所のスーパーに売っていないからコスパが悪い!何か別の餌で代用できないかなぁ?
といった方向けに、実際にふすまとそれ以外の餌を使って、各1種類の餌を1ヶ月与え続けたらミルワームの成長速度に差が生まれるのか検証してみました。
本記事から読み始めて頂いてもわかるように書いたつもりですが、第1回目の記事をまだ見ていないよっていう方は、是非この記事を読んだ後にでもチラ見してみてくださいね。
今回は有名な米ぬかを使って意外な結果が出たから、ぜひ最後まで読んでもらえると嬉しいな!
宣伝:本記事は動画でも見ることができます
そもそもミルワームとは?どうやって飼育するの?
ミルワームの正式名称はチャイロコメノゴミムシダマシというヨーロッパ由来とされている昆虫です。
海外では穀物を食べる食品害虫として扱われていたりするようですが、国内では主に養殖で繁殖しているのみで、野生下での繁殖は確認されていないようです。
基本的に雑食性で、穀物以外にも野菜や肉など何でも食べます。
飼育方法も比較的簡単なので、もし飼育してみたい人はミルワームの基本的な飼育方法の記事も覗いて見てください。
実験条件:餌以外はほぼ同じ条件になるように調整
ミルワームの成長には温度条件が大きく影響するので、餌以外の条件はなるべく同じにしています。
- 実験期間:5/31〜6/27
- 容器温度:21〜25℃(24時間エアコン管理)
- サンプル:体長7〜10mmの幼体を30匹 × 4(合計120匹)
- 容器寸法:100mm × 120mmのPET素材
その他、水分補給のために全ての容器に昆虫ゼリーを補給しています。
ミルワームの繁殖サイクルが微妙にずれていたので、体長は第1回目の時より気持ちひと回り小さめの子が多いよ。
実験内容:使用するのはふすま / 米ぬか / キャットフード / ニンジン
ふすまとその他3種類の餌を用意して比較してみました。
- ふすま
- 米ぬか
- キャットフード
- ニンジン
ふすまは小麦の表皮の部分のことで、非常に栄養価が高く、
ちょっと敷居のお高い食料品店だとブランという名前で販売されています。
ケロッグなどのシリアルや、ふすまパンの原料として使われ、腸にも良くてダイエット効果があるとして、定期的に健康番組で特集されたりしています。
ただ、スーパーなどでの入手性が悪く、私はもっぱら通販で購入しているのでコスパが悪いです。
米糠(こめぬか)は玄米を精米した際に出てくる表皮の部分です。
白米より栄養価が高いと言われており、コイン精米機など、無料で入手しやすいことが多いので非常にコスパに優れています。
ネットでざっと調べてみると、ミルワーム飼育者の中には米ぬかをメインで飼育している方もいるようです。
今回は外出先の店頭で無料配布されていた米ぬかを入手したので、それを使って検証します。
キャットフードは猫向けに作られているので動物性タンパク質が豊富で、猫にとっての栄養豊富な完全食です。
今回は自宅で飼育している猫用としてピュリナ ワン(ターキー)を購入していたので、少し拝借して実験に使用します。
材料は鶏肉や小麦、米などに加えカルシウムも含まれているので、生体に活き餌を与える前のガットローディングにも使えそうです。
入手性は抜群ですが、グラム当たりの価格は高いのでミルワームに使う餌のコスパは微妙です。
最後は野菜クズの代表としてニンジンを候補にしてみました。
ミルワームの飼育ケースに放り込んで一晩放置したらなくなっているので、浴びるほど与えたらどれくらい成長するのか気になったので入れてみました。
ナマモノなのでこれをそのまま床材にすることはないうえに、あきらかに栄養素が足りていないので、水分補給用の昆虫ゼリーよりはマシといった立ち位置です。
なお、ニンジンだけだと床材として兼用ができないので、カルシウムサンドを入れています。
これらの餌と、サイズが同じぐらいのミルワームを30匹ずつ個別の容器に投入して、約30日間でどれくらい成長したのかを目視で確認しました。
今回もガッツリ休日を使って数百匹いるミルワームを選別したよ!
時間が経つほどに繁殖して増えていくから、いつか人の手で仕分けするのが無理なレベルになるかも・・・
実験結果:今回も1番成長速度が早い餌は”ふすま”だった
1ヶ月後の結果は以下の通りです。
キャットフードはふすまと同じぐらい早く育つ個体がいますが、個体によっては小さいままの子がいたりと、成長にムラがあります。
この傾向は第1回目の検証で使用した金魚の餌と傾向が似ているので、
粒の大きさの問題か、動物性タンパク質自体に原因がありそうです。
米ぬかとニンジンは他の2種類に比べて圧倒的に成長が遅かったです。
ニンジンは他の餌に比べて栄養価が低く、今回の水分補給枠だったのでなんとなく納得できますが、米ぬかは事前情報で使っている人がいると聞いていたので意外な結果でした。
米ぬかで育てたミルワームをよく見ると、幼虫のサイズが実験開始時とほぼ変わらず小さいままです。
これは想像ですが、もしかしたら米ぬかが幼体にとって硬すぎて、あまり食べることができなかった可能性があります。
もしこの説が正しいなら、アゴの発達していないミルワームが食べられるサイズまで米ぬかを細かく砕くと違う結果になるかもしれませんね。
普通の米ぬかの飼育環境だと、大きなミルワームが噛み砕いて小さくなった米ぬかのカケラや、フンに混ざった未消化の米ぬかが飼育ケースの底に溜まっているんじゃないかな?
生まれたてのミルワームがケースの底にいることが多いのは、その細かく砕かれた餌を食べている可能性があるね。
ということで今回の実験では、キャットフードに少し差をつけて、ふすまが優勝という結果になりました。
- ふすま
- キャットフード
- ニンジン
- 米ぬか
「米ぬかが上位ならほぼ無料で育てられる!」って期待していたけど、結果は最下位だったのでひっじょーに残念!
でもメインで使っている情報はネットに複数あるから、きっと何か使える条件があると信じて、実験のやり方を見直してからまた検証してみるね。
【まとめ】餌として育てるならやっぱり色々食べさせた方が良い
といった感じで、今回はミルワームを1つの餌だけで4種類育てる実験をしてみた結果をまとめてみました。
- ふすまは栄養価が高く、ミルワームの餌として有名。でも入手性が悪い
- 比較的入手しやすい3種類の餌で成長速度に影響が出るのか確認したところ、やっぱりふすまが1番成長速度が早い
- 米ぬかだけではほとんど育たなかった
今回の実験でも色々と新しい発見がありましたが、普通の飼育環境では1種類の餌だけを与えて育てるといったことはないので、あくまで参考情報です。
また、米ぬかが最下位だからといって全くダメな餌というわけではなく、仮説でも書いたように、普通の飼育環境なら特に問題なく成長する可能性もあります。
(実際に金神さんという方のミルワーム飼育環境では床材に米ぬかを使用しているようです)
今後も検証が必要ですが、もし米ぬかの選び方や使いどころのコツを知っている方は教えて頂ければ嬉しいです。
今回紹介した他にも試して欲しい餌があれば、是非ブログやYouTubeのコメント欄とかでリクエストしてみてね!