爬虫類飼育にペット保険が不要な理由3選と必要なケース3選
大きめのショップで生体をお迎えすると店員に勧められるペット保険について、個人的に不要と思っている理由3点と、ギリギリ加入を検討できるかもしれないパターンを捻り出してみました。
この記事は、
初めて爬虫類をお迎えするけど、なんだか不安だから入っておこうかな・・・
ペットショップの店員さんにオススメされたから入ってみたけどよく考えるといらないかも・・・
と感じている人向けに保険を見直すきっかけになれば幸いです。
なお、私は過去に無保険の状態でニホンイシガメを病気にしてしまい、全額自己負担で治療した経験がありますが、それでもなお保険不要派です。
保険に入る入らないは自己責任の範囲になりますが、入るならよくよく考えて加入するようにしてくださいね。
先に書いておくけど、私個人が保険会社に恨みをもっているってわけじゃないので誤解しないでね。
ペット保険とは?
ペットが病気になると治療費を(一部)肩代わりしてくれる
日本に住んでいる人はほぼもれなく医療保険に入っているので、もし人間が病気になっても自分で支払う額は医療費の1〜3割です(助成制度などを利用すれば無料になるケースもあります)。
しかしこれは人間だけに当てはまるケースで、もし飼育しているペットが体調不良になったとき、動物病院でかかる医療費は全額飼育者が負担する必要があります。
1回通院する程度なら大体数千円〜1万円の範囲で済みますが、手術や入院が必要になった場合は手術費用や入院費で数万〜数十万円と大きなお金が必要になる可能性があります。
例えば、飼い主の貯蓄が0円の状態で「完治には数十万円の手術費が必要」と言われてもすぐには支払えませんよね。
支払えないなら病気のペットはどうなるでしょうか?
ペット保険は、この万が一のケースに備えて保険会社に一定の保険料を支払うことで、ペットが病気になったときに治療費の一部を保険会社が肩代わりする仕組みです。
みんなからお金を集めて、そのお金の一部を限られた人に支払うという点で、ペット保険と人間向けの保険の仕組みはたいして変わらないよ。
爬虫類が入れる保険で有名どころはアニコム・SBI・アイペットの3社
22年1月19日時点で検索した結果、爬虫類を対象にしている保険プランを取り扱っているペット保険会社は以下の3社です。
ペット保険をオススメする記事ではないので各社プランの詳細は省略しますが、ざっくり以下のような価格と補償内容となっています。
アニコム損害保険株式会社
国内ペット保険の最大手で「どうぶつ健保はっぴぃ」という商品が爬虫類も取り扱っています。
加入対象の爬虫類はカメ・トカゲ・ヘビと幅広く、保険料は保険会社負担50%プランで月々1,460円、70%プランで1,990円です(カメ・ヘビはこれより少し安いです)。
また、別途料金の特約に入ると、ペットが他人に怪我をさせて損害賠償請求された場合に補償してくれたりもします。
普段はケージの中にいる爬虫類を外に連れ回すとかは考えにくいので、損害賠償の特約はお子様のいるご家庭向けには検討できるかもしれません。
公式サイト:https://www.anicom-sompo.co.jp
8715:アニコムホールディングスという銘柄名で東証1部(今はプライム市場)に上場もしている会社だよ。
SBIプリズム少額短期保険株式会社
SBIプリズム少額短期保険株式会社の旧名は日本アニマル倶楽部株式会社です。
SBIグループの子会社で保険プランとしては「プリズムコール」という商品に「鳥類、爬虫類プラン」があります。
加入対象の爬虫類はカメとトカゲです。
カメに関しては不明ですが、トカゲは具体的にイグアナとフトアゴの2種で指定されています。
保険会社負担が100%のプランがあり、保険料は保証内容により1番高いもので月々2,550円です。
公式サイト:https://www.animalclub.jp
保険会社の負担率が100%のプランがあるのは今のところプリズムコールだけなので、どうしても自己負担が不安な人は検討できるかもね。
アイペット損害保険株式会社
アイペットは国内ペット保険2位の保険会社で「うちの子キュート」で爬虫類のプランを取り扱っています。
加入対象の爬虫類はカメとトカゲで、加入条件例を見るとカメはリクガメと水棲カメ、トカゲはヒョウモントカゲモドキからモニターまで幅広いようです。
保険料は保険会社負担30% / 50% / 70%のプランでそれぞれ月々1,110円 / 1,240円 / 1,610円です(カメはこれより少し安いです)。
公式サイト:https://www.ipet-ins.com
同じ負担率50%でもアニコムさんより少し安いから、値段だけ見てこっちを選ぶ人もいるんじゃないかな?
実際の保証内容は違う場合もあるので、よく内容を確認してみてね。
3社の中でどうしても保険に入るなら?
で?もし入るとしたらどこが良いの?
・・・どれも不要だけど、強いて挙げるなら保険対象の生体の種類がそこそこで、価格も安いアイペットかな。
できないかもしれないけど、お迎えの時に入って2ヶ月後にすぐ解約する使い方をするかも。
先ほどの保険会社の紹介の際に保証対象と価格、負担割合だけ記載しましたが、この他にも『葬祭保険金』や『多頭割引』など各社様々な補償や割引があります。
一方でペットが高齢だったり、お迎えタイミングじゃないと入れないなど、加入するにも色々制約条件があるので、興味のある方は最寄りのペットショップか各社サイトでご確認ください。
ペット保険が不要な理由3選
保険を紹介する記事ではなくディスる記事なので、ここから本題に移りましょう。
その1:そもそも現金に余裕があれば不要
保険は万が一の支出に備えるための仕組みです。
裏を返せば、その支出が発生しても余裕で支払えるだけの貯蓄があれば利用しなくても大丈夫です。
その支出がどれくらいになるか分からないから保険に入るんだよ
確かに爬虫類を診れる動物病院は少なく、爬虫類の種類の多さもあってか治療費の目安がわかりにくくなっています。
しかし各プランで設定されている保険料や、犬猫の治療費の平均、ペット保険のパンフレットに書いてある事例から見ても、病院に通ったらいきなり治療費で数百万円を請求されるといったことはほぼないでしょう。
動物の治療にかかる費用の多くは、交通事故や住宅火災による損害・・・下手するとあなたの目の前にあるスマホやパソコンの購入価格より少ない金額です。
支払える治療費のために、わざわざ毎月資産を減らしてまで加入する意味はあるでしょうか?
もう一度言うと、過去に私が飼育しているニホンイシガメを肺炎してしまった時に、診断から完治までにかかった治療費は約24,000円だったよ。
大体1年分の保険料だけど、払えない額かな?
その2:治療費を全て肩代わりしてくれるわけではない
保険は万が一の大きな支出に備える商品ですが、ペット保険は治療費の全てを肩代わりしてくれるわけではありません。
例えばアニコムさんやアイペットさんは最大プランでも治療費の7割しか補償してくれません。
SBIプリズムさんは100%負担とありますが、通院時の上限負担額が5,000円と、
アニコムさんやアイペットさんの半分以下に設定されています。
またいずれのプランも手術費用に関しては1回あたり十数万円が上限となっており、
さらには年間の手術回数にも上限があります。
もちろん上限を超える治療費は全額自分で支払う必要があるので、貯金0円だけどペット保険に入っているから安心ということにはなりません。
補償内容は時期によって変わったりするので、最新の支払い条件や補償額は保険会社に確認してみてね。
その3:保険料より飼育設備に投資した方が健康的
ペット保険に加入すると1匹あたり1,000円〜2,500円ぐらいの保険料を毎月支払うことになります。
試しにこれらの保険料の支払いをやめて、そのお金を飼育環境や餌の改善に回した場合の費用感を比べてみましょう。
- 1ヶ月に100匹以上、活コオロギを購入できる
- 3ヶ月に1枚、パネルヒーターを新調できる
- 1年間、メタルハライドランプ(70W)を2台稼働した時の電気代が払える
- 1ヶ月に1個、紫外線ライトの電球を交換できる
- 6ヶ月に1個、45cmの爬虫類ケージを新調できる
- 1年間、10畳の部屋でエアコンをかけっぱなしにした時の電気代が払える
どうでしょう?結構ブルジョアな飼育生活を送れそうじゃないですか?
爬虫類が不調になる要因の一部には、飼育環境や餌が合っていないことによるストレスなども含まれます。
万が一の病気のリスクを恐れてお金を支払うより、そのお金を飼育環境にかけてストレスの要因を取り除くことに優先した方が有意義な使い方だと思います。
個人的にオススメなお金の使い方は保温器具を充実させることかな。大体の爬虫類は低温が続くと不調になるし。
ちなみに爬虫類の飼育設備に関わる電気代は別記事で計算しているよ。
ペット保険を検討しても良い人3選
ここまで散々色々書いてある通り、私はペット保険に関しては不要派です。
しかし条件によっては、ペット保険に加入しておいた方がペットにとっても飼育者の金銭問題的にも恩恵を受けられることがありますので、ギリギリ加入を検討できるパターンを3つ記載します。
その1:突発的にまとまったお金が払えない人
再度書きますが、保険は万が一の大きな支出に備えるための仕組みです。
こういった目的であれば、お迎え時点で貯蓄があまりなく、毎月使える額が限られている人は短期間での加入を検討してもいいかもしれません。
爬虫類は体が小さい個体が多いため、細かい作業を伴う外科手術は非常にリスクがあります。
リスクが高い治療がそのまま高額な治療費になると言うわけではないですが、生体を助けるために緊急で、かつ高額な費用が発生する治療を行う可能性がないわけではないです。
そういった万が一の際は、保険に入っててよかったと思うかもしれません。
ただ繰り返しになりますが、大抵の保険の補償には金額や回数の制限がありますので、治療費の全額が補償されるわけではないという点でかなりリスキーです。
そもそも、果たしてその状態で飼育責任を果たせるのかが疑問なところではありますが、まとまったお金が貯まるまでの数ヶ月〜1年間だけ加入することは検討できるでしょう。
色々な事情はあるとは思うけど、お金がない状態で愛玩動物を飼育するのは飼育者とペットのどちらも不幸になるリスクがあるのでオススメしないよ。
その2:病気になりやすい品種を飼っている人
生き物の種類や品種によっては、遺伝的に特定の病気にかかりやすい子もいます。
(レオパで有名どころだとレモンフロストの腫瘍など)
そういった遺伝的に弱い傾向の子をお迎えする場合、通常より病気にかかる確率が高いので、結果的に支払った保険料以上に補償を受けられる可能性があります。
しかしこの考えで保険に加入するのは、保険本来の目的から外れているのでオススメしません。
なお、先天性の疾患に対しては支払い対象外だったりしますので、保険の内容と生体の遺伝的な情報を確認してからお迎えするようにしてください。
保険に加入して得しようという考えは、ギャンブルで胴元に勝とうとするより勝率の低い勝負を挑んでいるようなものだよ。
その3:お迎えする生き物の飼育経験が浅い人
爬虫類飼育が初めてで右も左もわからない方もギリギリ保険加入を検討してもよいと思います。
特にお迎え直後は飼育の勝手が分からず、また生体側も移動や慣れない環境によるストレスにより体調不良が起こりやすいです。
よくYahoo知恵袋やTwitterなどで「〜が昨日から元気がありません。何かの病気でしょうか?」「〜のお腹にしこりがあるような気がします。どうすればよいでしょうか?」といった質問が見かけられます。
気になるなら病院に連れてけよと思う方もいるでしょう。私もそう思います。
保険に加入していれば、そういった方達が動物病院に連れて行くための心理的ハードルを下げる効果が期待できます。
ただし、病気でも怪我でもないのに診察してもらった場合、大抵の保険は補償対象外になります。やっぱりいらないですね。
診察して何もなかったら「運が良かった!喜んで数千円ぐらい支払います!」ぐらいで考えとくといいかも。
まとめ:経済的に厳しいならギリ検討できる。でもその前に・・・
といった感じで、今回はお迎えする前にそこそこ貯蓄している人なら爬虫類用のペット保険は基本的に不要ですよという内容でお届けしました。
- 国ぐるみで保険に入っている人間とは違い、ペットの治療費は全額飼い主の自己負担
- ペット保険に入れば万が一の病気の際、支出を3〜7割ほど抑えることができる
- 飼育者に数十万円以上の貯蓄があれば大抵の治療費は支払えるので基本的に加入不要
- 貯蓄がない場合はギリギリ加入の検討ができる
日本に住む人間が強制的に加入させられる社会保険とは異なり、ペットに対する保険は飼い主の自由意思で加入するものです。
誰かにオススメされるままなんとなく加入するのではなく、『加入しないとどんなリスクがあるのか』『リスクに対して何か準備できることはないのか』をよく考えて、
それでも必要だと思ったら、条件に合う保険プランを選んで加入すると良いでしょう。
ただ再度申し上げるなら、私は保険に支払うお金で良い設備を買います。
病気になるかもと心配し続けるより、病気にならないような飼育環境作りを目指していきたいですね。
ペット保険全般に関する考え方は以下のブログの内容を大いに参考にしたよ。
犬を例にしているけどテーマは同じだから、私の事が胡散臭いと感じた場合はぜひそちらを参考にしてみてね。